2010年6月5日、第11回健康長寿塾「言いたくないけど言っちゃおう(本音のはなしシリーズ)」が、九大医学部百年講堂中ホールで開催されました。
「健やかに老いるために─不整脈と脳梗塞─」
講師/九州大学大学院 医学研究院 保健学部門 看護学分野 教授 樗木晶子先生
司会/NPO法人 九州医療システム研究機構 理事長 柏木 征三郎
柏木理事長のナビゲートで、ずっと循環器内科を専門とされ、保健学、看護学についての活動をして来られた樗木晶子先生に、その臨床・研究の経験から、心房細動がもたらす脳梗塞等についてお話しいただきました。
「筋肉でできたポンプ【心臓】が、一日に約10万回も休み無く動いている、生活習慣によって、また、加齢などによって高血圧になると、血管へ血液を送るために、正常の2〜3倍の力を要し、心房にも大きな負担がかかり、それが長く続くと心筋が弱り、血流が悪くなって血が澱み、血栓となってしまいます。
この血栓が剥がれて心臓から脳内へ流れ、大きな血管に詰まって重篤な脳梗塞を引き起こすことがあり、表題の─不整脈と脳梗塞─と言うことに繋がります。
これらの原因の一つである、心房細動。心房細動は、通常1分間に60~100回である心拍が300~600回という速さになる不整脈。
高血圧や心臓、肺の病気など、原因は必ずしも一つではなく、高齢化と共に発病の可能性は高まります。心房細動が始まると、強い動悸と胸部の違和感が生じ、また、他の不整脈と同様、身体に十分な血液と酸素を供給することが妨げられることも多くあり、そのため、めまい、息切れなどを起こすこともあります。 通常は生命を脅かすまではいきませんが、2日以上続く発作や症状が慢性化した場合には、心臓内の血液が凝固することがあり、前述のように、脳梗塞の危険性が高まります。
この病気は、心臓病の中でも最もありふれた不整脈であり、高齢者、特に60歳から70歳を超えてくると急激に罹患率が増えてくること(全体の0.5%以上)、女性よりも男性患者が多いこと、急性脳梗塞の原因(長嶋茂雄さんが、この心房細動が原因の脳梗塞を発症したことで有名になりました)として大変重要であること、などが分かっています。
治療法としては、心臓の鼓動のリズムを元に戻す方法、心拍を早くなりすぎないようにコントロールする方法があり、後者で薬や電気ショックで行う方法が多く持ち入れられていること、この10年余りの医療の進歩によって、そのメカニズムが解明されてきたこと、その中で、ワーファリンによる血栓塞栓症の予防・治療が有効であることと共に、納豆・クロレラ・春菊・ワカメなどを大量に偏って食する事によって効果が薄れるという点も注意すべきです。
心臓のリズムを元に戻す事は難しいですが、心拍をコントロールするための治療法が色々あり、その方法の組合せごとに効く・効かないが人それぞれにあります。治療経験の多い専門医にかかることがより安心です。
まとめとして、年を取って増えてくる不整脈─心房細動。心房細動そのものはあまり危険な不整脈でないが、その合併症である脳梗塞などは致命的。
生活習慣病を持っている人は、心房細動になりやすい。高血圧、糖尿病、虚血性心臓病の予防が、心房細動の予防にも繋がります」とくくられました。
最後に、貝原益軒“養生訓”、同氏を敬うと共に、今に役立つお手本として披露されました。








